ネットショップ運営をしている方やこれから運営をしてみたいと思っている方の中には、特定商取引法による事業者情報の公開で自宅住所を知られたくないという方もいるのではないでしょうか。
特定商取引法では、事業者の住所や氏名を公開することを定めているので、公開できる住所が自宅しかない場合はレンタルオフィスを利用することが一般的です。
レンタルオフィスを借りれば住所や連絡先の問題は解決するように見えますが、毎月もしくは年間での契約が必要となることや、レンタル料もかかるため小規模なネットショップ運営の場合は負担が大きくなる可能性があります。
このような八方ふさがりな状態を打破するため、この記事ではネットショップ運営時の自宅や実家の住所を知られずに運営する方法を調べてまとめました。
特定商取引法の住所のことで頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
ネットショップ運営時に住所の公開が必要な理由
ネットショップ運営時には、事業者の住所や電話番号などの連絡先を表示することが必要です。
事業内容の規模に関わらず必須とされているのはなぜなのか、はじめに住所の公開が必要な理由から確認していきましょう。
特定商取引法により義務付けられている
特定商取引法では、事業を行う上でトラブルが起きたときや消費者からの問い合わせに対応するために住所や電話番号などを表示することを義務付けています。
このとき表示する住所は活動している住所であり、電話番号は確実に連絡が取れることが条件となっています。
違反した場合(架空の住所を記載など)は行政処分の対象になる
特定商取引法で認めれない架空の住所などを記載し違反した場合は、業務改善の指示や業務停止命令を受けるなど行政処分の対象になります。
内容が悪質だった場合は一部罰則の対象になることもあるので、十分に注意するとともに特定商取引法に違反しないよう適切な表示を行うことが重要です。
自宅(実家)がバレない!ネットショップの住所非公開運営法!
ネットショップを運営する際には、特定商取引法に則った住所や電話番号の公開が必要ですが、近年では住所非公開での運営法があります。
これは、一歩間違えれば法に抵触するようなグレーゾーンの方法ではなく、連絡先を公開しつつ自宅(実家)がバレない正当な方法です。
詳しく紹介するので一緒に見ていきましょう。
「住所非公開」が設定できるネットショップを利用する
近年では誰でも簡単にネットショップを作成できるサイトが増えていて、代表的なところではBASEが挙げられます。
BASEでは、特定商取引法に基づく表記欄の中で住所や電話番号をBASE株式会社の所在地と連絡先を表記することで自宅や実感の住所を非公開することができます。
ただ、この場合はショップ区分が個人の場合のみに限定され、商品の返品時など購入者からコンタクトを求められた際には自宅や実家の連絡を開示する必要があります。
さらに、商品の発送時も自宅や実家、もしくは実店舗がある方はその連絡先を発送元とすることが条件で、発送元にBASE株式会社の情報を使用することはできません。
この点に注意すれば、ネットショップ上では特定商取引法に抵触することなく自宅や実家住所を非公開にすることが可能です。
参考:事業者の所在地と連絡先を、非公開にできるようになりました
バーチャルオフィスを契約する
自宅や実家の住所を非公開にするもう1つの方法として、バーチャルオフィスの契約が挙げられます。
バーチャルオフィスは主に住所をレンタルできるサービスで、バーチャルオフィスによっては都心の一等地の住所、03発信の電話番号、郵便物の受け取り、会議室の利用などができることもあります。
バーチャルオフィスを利用する際には年または月単位での契約が必要ですが、ネットショップ上で都心の一等地の住所を表記できれば、取引上で信頼や安心を提供することにもつながるでしょう。
ネットショップ運営において、住所非公開かつ経費をなるべくかけたくないならBASEのような無料からはじめられるプラットフォームが、経費が多少かかっても取引上有利になる住所が欲しいいならバーチャルオフィスがおすすめです。
(関連記事:個人事業主におすすめのバーチャルオフィス比較!格安の住所貸しあり)
専用の部屋を借りる
在庫がある事業をする場合、オフィスや事務所とまではいかなくとも事業用に専用の賃貸物件を借りることも1つの方法です。
一般の賃貸物件の中には、事業用として利用不可な物件が多いのですが、中には人の出入りが激しくなければOK、住むことを前提にするならOKといった物件もあります。
事業に適した物件が見つかったなら内見や契約の前に正直に相談してみると良いでしょう。
あらかじめ相談しておく方が後々のトラブルも予防できるし、大家さんや管理会社の方でも許可を得た上で契約することができるからです。
自宅以外の住所でネットショップを運営する場合の注意点
自宅や実家の住所を非公開でネットショップを運営する際、おおよその課題は解決したように感じますが実際にはいくつか注意しておきたいことがあります。
運営上でも重要なポイントになるので、ぜひ1度チェックしておきましょう。
場合により住所を提示する必要がある
BASEなどの住所非公開設定ができるプラットフォームを利用する場合、商品を発送する際には発送元・返送時の場合に住所公開が必要になります。
また、バーチャルオフィスの場合は郵便物転送サービス付きのサービスを利用できるので、バーチャルオフィスの住所や電話番号でも問題ありません。
個人情報をネットに公開するのは怖い…稀にあるトラブル例
ネットショップ運営のためとはいえ、個人情報をネットに公開することはリスクを伴います。
稀にあるトラブル例を紹介するので、このようなことにならないように十分に注意しましょう。
詐欺サイトの連絡先に勝手に使われる
自宅や実家の住所を公開している場合、見知らぬ詐欺通販サイトの運営者にされることがあります。
何らかの方法で公開していた住所や連絡先が第三者に知られ、身に覚えのない通販サイトを開設し、その通販サイトを利用した人から返金を求められる例や、注文して代金を支払ったのに商品が届かないなどの被害が出ています。
ストーカー被害にあうかもしれない
特定商取引法に則り自宅や実家の住所を公開した場合でも、それを見た人が自宅の周りをうろうろしたり電話をかけてきたりする被害が出ています。
ストーカー被害に巻き込まれることはもちろん、公開した情報を悪用されて迷惑メールや振り込め詐欺などの対象とされることもあるでしょう。
こうしたことから、ネット上に個人情報を公開することはさまざまな犯罪リスクがあるので、十分な注意と対策が必要です。
参考:個人情報の公開の危険性
まとめ
今回は、ネットショップ運営時に住所や電話番号を非公開にする方法を紹介しました。
BASEなどの通販サイト作成プラットフォームで、特定商取引法に基づく表示欄への連絡先の掲載が可能であれば、特定商取引法に抵触しないことはもちろんネット上での犯罪リスクを軽減することができます。
こうした取組みはユーザーからの声により実現したもので、安全にネットショップ運営を行うためにも重要な意味があるものです。
今後、連絡先非公開でネットショップ運営を希望する方は、通販サイト作成プラットフォームやバーチャルオフィスを上手く活用して、いくつかの注意点に気を付けていきましょう。